映画「ミセス・ハリス、パリへ行く」を観て、たくさんの勇気をもらった話👗

こんにちは、自問自答ファッション通信あきやです💍
ずっと気になっていた映画「ミセス・ハリス、パリへ行く」をついに観ました〜〜〜〜👀

この映画は、ファッションが大好きな還暦近い家政婦、ミセス・ハリスが憧れのドレスを求めて、ひとりでロンドンからパリのディオールへと旅立つ物語です👗(舞台は1950年代です。)

衣装やインテリアがとってもキュートで、最初から最後までワクワクドキドキでした!
ミセス・ハリスの花柄スタイルがとんでもなくかわいいです🌷🌷🌷

そして、本家のディオールさんが衣装協力しているので、クラシックなドレスがたっぷり見られます💛(お子さまも安心して見られる内容です〜〜☺️)

「服を買うために床を磨いて貯金したのよ!」と言うミセス・ハリスの言葉に涙がオロロと止まらなくなって、何度も停止ボタンを押してしまいました。自問自答ガールズは、ティッシュを一箱用意してみてくださいませ。

ここから映画のネタバレありの感想(私個人の解釈を含む)です🙇‍♀️
内容を知らずに見たい!という方はご注意ください↓↓↓

💎 透明人間と夢 💎

物語の中で、ミセス・ハリスが「あなたは透明人間よ」と言われてしまう場面が何度も描かれています。

陰で人の生活を支えて、反論せず、力を持たず、表舞台を持たない(ドレスを着る場がない)人に対する「とてもひどい」投げかけです。

ある場面では、ディオールの重役クロディーヌに「金持ちや有名人は着飾る場があるけれど、“ディオール”のドレスをあなたはどこで着るの?〜中略〜あなたは透明人間だわ」と言われてしまいます。

その無礼な言葉に対し、ミセス・ハリスは「私の夢なの」と答えます。
凛とした姿勢で冷静に答える姿はとても美しかったです。

📕ストーリーに散りばめられたサルトルの言葉📕

劇中には哲学者ジャン=ポール・サルトルの著作や言葉が何度も登場します。
本編には出てこなかったのですが、サルトルにはこんな言葉があります。
「主体性を持ち、自身の価値を選び取ることによって、どんな人間にでもなることができる」

これがまさに、ミセス・ハリスの冒険を表すようでした。

彼女は地位や名声は持たないかもしれません。しかし自分自身の意志でパリに行き(主体性を持ち)、自分が稼いだお金でオートクチュールのドレスを手に入れる(自身の価値を選びとる)勇敢な人間です。

ミセス・ハリスは、夢(ディオールのドレスを手に入れること)のために毎日朝から晩まで、せっせと顧客の家を磨き続けます。(たまに賭け事もします笑)彼女は友人たちと支え合いながらも、日々の優しさと前向きさを忘れません。

何を着るのかは他者によって決められるものではなく、自分に誇りを持って「何を着るか」決めてやるんだ!という姿が、とてもかっこいいなぁと思いました。

👗聡明なモデル ナターシャの葛藤👗

また作中ではとても美しくて優しくて聡明な、モデルのナターシャが出てきます。彼女はサルトルの哲学書が大好きで、自分の車の中にも本が置かれています。

売れっ子モデルでありながらも、自分が外見で商売をしていること(そして、好きでもない資本家とお酒を飲んだり、好きでもない映画俳優と歩かなければならないこと)への葛藤を抱いています。

「本当の私ではない」「夜は家で本を読みたいのに……」と言っていたナターシャは、ミセス・ハリスと出会って今いる場所から旅立ち「自分の夢を追うこと」を決心します。ナターシャがいい人すぎて、心から応援してしまいました……!

(モデルはとっても素敵な職業ですが、ナターシャはきっと本をたくさん買いたくて“仮の姿”でモデルをしていたんだろうなぁと推測されました。)

🪡職人もモデルも労働者🪡

ラグジュアリーブランドで働いている人達はみんな貴族ではなく、労働者です。
作っている職人さんも、モデルさんも、もちろんみんな労働者。

なので、イギリスの家政婦さんがクタクタの札束を丸めて持ってくることが、どういう事なのか(どんな想いなのか、どれだけ大変なことか)痛いほど分かります。(このシーンは「北の国から」の泥のついた一万円札を思い起こさせますね……!)

とてもとても意味のあるお金です。
だからこそ、ディオールのスタッフはみんな勇気あるミセス・ハリスを応援してくれます。

アトリエでの制作シーンもバッチリ描かれていて、美しい「もの」だけにフォーカスせず、物作りの「背景」スタッフへのリスペクトがあることが、とても素晴らしいなと思いました👏

🧹力が生かせること🧹

気品やチャーミングさや情熱で、パリの方々に暖かく受け入れられた彼女ですが、好意を受け取るだけではありません。家政婦として鍛え抜かれた能力で、家を整えたり、料理や裁縫をしたりと「恩返し」をしています。

長年培ったその「力」は、きっと彼女のアイデンティティでもあります。「助けてくれた方々の役に立つことができた」ということも、ミセス・ハリスの大きな自信に繋がったのではないかと思いました。

👗美しいドレスに憧れること👗

最初から最後まで、ずっと涙が止まりませんでした…!
それは「美しいドレスに憧れること」への賛美と応援が溢れていたからです。

「庶民だから、歳をとっているから、着ていく場所がないから」そんなことはね、ミセス・ハリスにとってはどうでもいいのです。「ドレスを着て床を磨くの?」と聞かれても、動じることはありません。
ディオールのドレスを着る「夢」が彼女を支えていたのだと思います。

きっとミセス・ハリスは富裕層のハウスキーピングをしているので、かなり目が肥えているんですよね……!顧客の家で素敵なドレスやインテリアを見続けていたからこそ、感性がどんどん磨かれていったのだと思います。

クリスチャン・ディオール」の名前を知らなくても美しいものは分かります。
そして美しいものが分かるから夢を見ることができたのです。

ミセス・ハリスは自ら行動できたこと、大好きな人たちに出会えたこと、力がつかえたことで自信が付き、自分を粗末に扱う人に対し「NO」が言えるようになります。

美しい服を着ることで人生は変わりませんが、ディオールのドレスを手に入れたこと(その過程)でミセス・ハリスは「透明人間」ではなく、自分を持った人になったのです。

とてもいいストーリーでした。

🍰おまけ🍰

ファッション映画やブランドの展示会を見るようになって、どんどん点と点が繋がっていくのを感じています!

ムッシュ・ディオールに続いてイヴ・サンローラン、そしてラフ・シモンズ、現在はマリア・グラツィア・キウリと、バトンは次々に引き継がれて行ってるんですね…👀

店頭で服を見るだけでは分かり得なかった「ああ、あの時代からこんな風に繋がって、このデザインに行き着いたんだなぁ。今も伝統の一部分なんだろうなぁ」と想像できるようになると、より一層ファッションの奥深くまで味わえるようになりました。(もはや店頭で感極まって泣いてしまうくらいです。)

私もいつの日か「パリでディオールを買う」という夢ができました!
その日のために、ミセス・ハリスのようにニコニコ元気に過ごします~~~~!

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